お江戸の伎芸天

芸能の神さま「お江戸の伎芸天」とは

芸能文化発展の神さま「お江戸の伎芸天」
全世界の安堵を願うことは永遠に

奈良の大仏の建立も、祇園祭りも、疫病の退散を願って始められたと伝わっています。
当山では、新型コロナウィルスの終息を発願し、一刻も早く全世界に安堵なときが迎えられるようにと「諸芸上達・技芸修練」の神さまである「伎芸天(ぎげいてん)」という仏像の建立を決意いたしました。

当山は、「雅楽」「琴」「三味線」「日本舞踊」「文楽」などの舞台や、「茶道」「華道」の芸道の修行や発表の場として、長年日本伝統芸能に深く携わってきました。また、地元高円寺の夏の風物詩である「高円寺阿波おどり」には、長善寺檀信徒が要となって活躍していたり、冬の「高円寺演芸まつり」においては、これまで「落語」「紙切り」「太神楽」の会場として地元の人々に来寺していただいたり等、地域を巻き込んでの文化的な発信地として貢献してまいりました。

人々に心の充足感と幸福感を

平和で豊かな社会を保つには、日本の伝統芸能の役割が大きいと考えております。伝統芸能は、人と人とを繋げ、歴史を紡ぎ、人々に心の充足感と幸福感をもたらします。
皆が安心して健康で幸せに暮らせる社会を、「伎芸天」をお祀りすることで貢献できると信じております。

明るい未来へのお導きへと

仏像制作を務める大仏師・向吉悠睦氏とは、有難いご縁からコロナ終息への仏像建立にご理解いただき、唯一無二、未来永劫の長善寺オリジナルの仏像「伎芸天」を手がけてくださることになりました。過去や現在のすべてのご縁が結びつき、こうして「伎芸天」が誕生したのです。
「お江戸の伎芸天」が、明るい未来へのお導きになりますよう願っております。

伎芸天はシヴァ神(大自在天)が天界で諸伎楽を行なう際に、髪ぎわから生まれたと言われ、左手に花を盛った皿を持ち、その容姿は端正で、あらゆる芸に長じ、諸芸上達、技芸修練、芸事成就、福徳円満をつかさどる芸術、芸能の神であられます。

これまで日本でどれだけ信仰されたかは明らかではないですが、奈良県の秋篠寺に安置されている伎芸天像(奈良時代・国宝)は、日本の女神像として最高峰の美形と言われています。

ご開帳に関してのご案内

次回の御開帳日
2024年0911

「伎芸天」ご朱印

ご参拝され、ご希望の方には「伎芸天」のご朱印を授与致します。
奉納料:1000円(特別パンフ付は1300円)

仏師の紹介

芸の仏を彫り現した、匠の技
大仏師 向吉悠睦(むこよしゆうぼく)氏

昭和36年
鹿児島県に生まれ
昭和55年
松久朋琳、宗琳の内弟子として入門
平成3年
大阪市にあさば仏教美術工房を設立

これまで多くの仏像彫刻を生み出し、国内のみならず海外でも展示歴があります。

製作秘話

コロナ渦でしたので、工房に籠ることしかできないことで、今までにない造仏環境が出来上がっていることに感謝し、今こそ「伎芸天像」をお迎えしなければならない使命感が沸き立ちました。
仏師は拝まれる仏さまの御霊が入るにふさわしい器となるよう彫像を進め最善を尽くします。何度も姿を描き、依頼の方の頭の中にあるその姿を、代わりに木の中からお迎えし、真っ白の状態でお連れします。そして多くの方にお参りしていただき、仏になられるのです。

「お江戸の伎芸天」開眼法要

令和5年4月16日 片岡鶴太郎さん参列

2023年4月16日(日)「お江戸の伎芸天」の開眼法要を行いました。来賓に大仏師の向吉氏をはじめ、俳優の大御所で画家の片岡鶴太郎さん、芸人かつお寺・仏像の研究家として活躍中のみほとけさん、地元芸人で長善寺と縁があるコラーゲンはいごうまんさん、高円寺阿波おどり関係者や町会、檀信徒が参列し、僧侶の読経と秘法の木剣加持による開眼が行われました。
法要後、天翔連による阿波おどりが奉納され、最後には参列者全員で阿波おどりを行い、伎芸天の完成をみなで喜び合いました。

伎芸天 Q&A

Q芸能の神さまと聞きましたが、ご利益があるのは芸事に関することだけなのでしょうか。
A皆さまの願いを叶え守ってくださるのが仏教の仏さま神さまです。芸事以外の願いでも快く聞いて下さいます。一心に手を合わせて、祈ってください。
Q左手に持っているものは何ですか。また、どのような意味がありますか。
A「天華(てんが・てんげ)」といい、天上界に咲くという霊妙な美しい花です。天華を持った手を外に向けて開いた姿は、「すべてを受け入れ、招き入れる」ことを意味しています。
Qお江戸の伎芸天は、いつでも拝観できるのでしょうか。
Aご開帳日が決まっています。毎月11日が拝観日となります。(7月、8月はお休みです)
Q個人的にご祈願をお願いすることは可能でしょうか。
Aはい。日程を調整する必要はありますが、個別のご祈願を承っております。

序列と役割が違います 仏さまの種類

仏さまには大きく4つのグループに分かれており、それぞれに役割があります。
頂点には如来が君臨し、修行中の菩薩、如来や菩薩の化身として働く明王、如来や菩薩のもとで働く天部、とその姿も様々な役割の意味を表しています。

最高位:如来(にょらい)

如来とは仏の尊称で、如は悟り、来は到達したという意味です。すなわち、真実に目覚めた者、悟りを得て仏となった者が仏陀です。
如来はほぼその身に装飾をつけておらず、法衣をただ纏っただけのお姿です。
釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来など

二番目:菩薩(ぼさつ)

菩薩とは、悟りを求めて修行する者です。仏陀になるべく修行を積む一方、衆生救済をするために活動しています。
観音菩薩、弥勒菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩など

三番目:明王(みょうおう)

明とは光明の意味で、知恵の光明で全ての悪魔を打ち破る王です。如来や菩薩では救い切れない衆生に対し、時に猛威を振るって導き諭す仏が明王です。
不動明王、愛染明王など

四番目:天部(てんぶ)

釈迦が生まれる前、インドで信仰されていたバラモン教やヒンズー教などの神々が仏教に帰依した者です。種類が多く、武将から福の神、女神までいます。
毘沙門天、帝釈天、大黒天、吉祥天、弁財天など

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