蘇生と申すはよみがえる義なり
『法華題目鈔』/文永3年(1266) 聖寿45歳
ー蘇生ー
現代は環境保全と資源枯渇回避のため「リサイクル」が重要視されています。リサイクルとは不要になった物が再び命を吹き返すことです。この言葉を聞くとこんな話を思い出します。
「くず鉄というが鉄にくずはないんだ。集めて溶かし直せば車にも橋にも成って蘇るのだ。人も同じ。くずなど世の中に1人もいない」と。
自信を失い落ち込んだ時、心の中で何度も繰り返します。
腐るな、へこむな輝け我が命!
『法華題目鈔』
本書には日蓮聖人の信仰の根幹が所々に説かれています。その1つが「蘇生」という教えです。
法華経以外の大乗経では釈尊の直弟子に対して「自己の完成のみを目指す者は如何に修行とはいえ成仏はできない」と言われていました。しかし法華経は違います。「あなたたちの修行の姿こそ自らは気付いていないかも知れないが、他を励ます立派な菩薩行なのですよ」とエールを送っているのです。正に絶望のどん底に陥っていた弟子たちは法華経によって蘇ったのです。
一切の存在に命を吹き込むのが法華経であると日蓮聖人は明言されています。
【日蓮宗公式HPから引用】